tokyodaynight24’s blog

自分を試す 世界取引労働!! 日本から始まり NYまでお付き合いいたしましょう!!

砂利  後半

ではイメージしてみよう。

朝、9時に立ち会いが開始した。

とりあえず3回ぐらいデイトレで稼いだ 薄利ではあるが

3戦3勝で例えば9000円勝った。

 

時間は9時15分 どうする? 「あぁ今日も勝った!終了だ」  

とはならない その時の(私の)思考として

とりあえずキリの良い利益1万円を・・・

そして2万3万と・・・今日のうちに勝てるだけ・・・ ・

3回やって3回勝った。

1度ぐらい損になるまでやり続けてみようか 勝っている時に、

そうそう「終了、勝ち逃げ」なんて思考は出て来ない。

じゃぁもうちょっとやってみようじゃないの!?と思うのではないだろうか

「調子に乗ってやってみよう!!」 

となるのが普通 勝ちっぱなしで終える日なんてそうそう無い

 

どこかで「もっと稼いでやる!!」

 

と言う欲が生まれる 「いらない損」だったり

「痛い損」をして 「はぁ・・・なるほどね」

とマウスから手を離したりした結果が 「5000円なのか2万円なのか、

それともそれ以上やそれ以下なのか」 

なのだ 利益が大きければ大きいにこした事はないが

そもそもの設定した金額なんて言うのは実際には無くて、

多く稼ぎたいと思うからこそ、失敗の生まれる事があって

そのバランスがこれまた難しいと言える

さてここまでディーラーとしては夢の無い現実的な数字で

書いてきたが最初に書いたように 一発で数百万とか数千万とか億の損益が

動くなんて言うのは 国民の99%にありえない事だと思うので良いかと思う

私自身のトレードはどうか。

銘柄や時間帯によっては 一回の取り引きで10万以上狙うような時もあるが

これは全体の取り引き回数から言ったら1%にも満たない。

大半は目先のイタズラのような値段を 売・買・買・売・買・売・売・買としている

そんな小物を拾い続けるのが私の大抵の取り引き内容である

その取り引きのやり方をみた同僚が私に「砂利拾いみたいなトレードだな」と

言ってきたのが最初に「砂利」と言われた日である。

まぁ・・・たしかにそうだけど・・・

そんな細かい利益を拾い続けてどうするの?と 正直、

悔しかったが 50万勝って 100万勝って 140万負ける彼と

毎日3万程度勝ち続ける私と話しが合うワケもないのだ。

一日の利益を少しでも増やすアドバイスをしてくれよう って言う気持ちで

話しかけているなら 聞く耳も持つかも知れないが

とてもそうは聞こえないので ど~~~でもEか。と

 

昔の先物取引にはたくさんの砂利が落ちていた。

 

今とは比較にならない程に。

砂利の数は市場参加者数に比例する だから手法的に

「砂利拾い」みたいな事やっていても たくさん砂利はあるし、

たまに小石だったり大きめな石を拾ったりも出来た。

そもそも砂利ってなんなんだ?と ただ小さい利益の事を砂利と言うのか?と

 

色んな砂利があるのだが たとえば 簡単に言うと

目先のちょっとした鞘のズレだったりする 先物取引と言うのは限月がある

同じ「金」と言う銘柄にしても6月物だったり8月物だったりして

値段の「差」がある その「差」はある程度一定で

例えば6月と8月で通常2円程度の8月の方が高いと言うような状態があったりする

それが立会い中に先物に大口の買いが入った事で 先物だけ突如3円買われたとしよう

その時にすぐ6月を買って買えた分だけ8月を売るのだ

通常2円程度の「差」がある関係の二つの「金」は

その瞬間だけ 5円の差が生まれる

しかしこれは割りと瞬時に修正されるので

またもとの2円の差に戻ったときに両方決済すれば

1取引に対して3000円の利益が生まれることになる。

(手数料を加味しない場合)

 

そんな3000円を色んな市場で探し回っていた。

私はこういう砂利拾いばかりをしていたわけではないが

これの利点は 相場が朝、寄り付いて

しばらくは値動きの荒い展開が続く

その時は他のディーラーと同じような張りをしていた。

それはトレンドを追ったり逆らったりと言う風に

しかし30分もすると値段は落ち着いてきて 集中して見ているには

 

「妙味」

 

が薄れてくる

周りのディーラーも背もたれにもたれかかったり

お手洗いに立ったりと マウスから完全に手を離し「休戦」モードだ。

そんな時に。だ 相場の動きとは関係がない さっき書いたように

 

「ちょっと大口の注文が入る」 とか

「同じ銘柄でも片方に売りが出て片方に買いが出る」

と言うような物が飛んでくると

そこに通常の価格差ではない状態が生まれ 少なからず利益を生み出せるシステムが

発生する。

市場に参加する人と言うのは色々で

「値段が荒れている時こそやりたい人」

「値段が落ち着いてからやりたい人」

「板の厚い時に出したい人」

「板がペラッペラの薄い所に出したい人」もいる。

 

どのぐらいの時間を境目に切り替わると言う事はないが

私は自分なりに「あぁ。一騒動落ち着いたな」と感じたら

砂利拾いに切り替えていた。

 

自分の中での砂利の目標は その日の成績の「キリ」の良い所だった。

寄付きからの荒れた展開で185000円の利益があったら

その後の落ち着いた展開で15000円拾ってなんとか20万の利益へ

逆に数万円のマイナスになっていたとするなら そのマイナスを消すまで。

と言った感じだ そうしないと自分の中で

「もう。良し」と区切りが付かないからだ 日によっては185000円の利益が

15万になってしまうと言う事もあったが そういう日もずるずるやらずに

目標とは逆になってしまうが ある意味「キリが良い数字」

になったので私も休戦モードに入る。

 

ディーラーとして仕事をしていると

やはりディーラーと知り合い機会も多く 最初はなかなか聞けないが

だんだんと一般的な相場の話しから

やはり「張り方」についてお互い話しをする事になる

手の内をさらけ出すか出さないか と言うほど私は警戒していない。

 

たぶん相手もしていないと思う

その場で話しをしたからと言って

なかなかそれを自分のトレードにしようと思わないからだ

まず自分のやっているトレードを変えないといけないと言う事もあるし

その場の話しだけでは半分も理解出来ないと言う事もある。

 

ただニュアンスは伝わってくる。 「それで儲けられるのかな・・・」

 

と思う部分は もしかしたらその人なりの「一手」が加わって完成するのかも知れない

 

色々聞いてみて総合すると それは・・・

 

「砂利拾い・・・?」と自分で思うことがある

 

この仕事の難しい所の一つに 「長く続ける」と言う事がある

 

それは身体的な事もあるが その前に大損したり資金的にショートしてしまう事が

多い しかしさっき書いたような砂利拾いは基本的にあまり大きなリスクを取らない。

値段のズレ→修正 を狙っているからだ まして

その日のうちに勝負を決めようって言うディーラーなら

そうそう痛い目を見たことは無いはずだ。

 

言ってみれば「鞘取り」と言うよりも「アヤ取り」なのだ

 

そのような利益小さめながらも大損の可能性が少ない取引で

食って行ってるディーラーが割りと多い。

あとで色々知った所によると むしろ私のいた会社が特殊で

大半はみんな砂利を求め歩いている。

そんな人たちも今ではほとんど業界を去っている。

 

ほぼ総ての砂利はシステムトレーダーに回収されてしまっているからだ。

私が当時知り合った頃の人たちの トレードの「味噌」があって

それを彼らが100%システムに反映出来れば

今でも生活は充分に成り立ったのだろう・・・

非常にもったいない。

私自身も今、砂利拾いだけでは食えると言う程の利益にはならない

 

ただ、月間終わってみれば 砂利のプラスαがあるおかげで

少し体裁が保たれた利益になっている部分はある

砂利拾いトレードは一昔前にみんなが恩恵を受けたと思う

 

だが現代では手法は有効だが それを活かし儲けるにはアルゴリズムの勉強が必要だ。 単純なアルゴでは逆に他のアルゴの養分になってしまう。

自分の砂利拾いを磨くか  それ以外の張りを磨くか・・・ 難しい所である。